子供の選ぶ本にダメ出しはしない
書店で声を荒げて怒っているお父さんがいました。
「そんな、絵ばっかりのしょうもない本は買わないって言っただろう! もう帰る!!」
そう吐き捨てて店を出ていくお父さん。残された子供は、小学校低学年と思われる男の子。どうやら、サバイバルシリーズを手にとって読もうとしたところ、いきなりお父さんが怒りだしてしまった様子。
持っていた本を置いて急いでお父さんを追いかける男の子を見て、本気で胸が痛んでしまいました。
そりゃあいくらなんでもかわいそう。そんなんじゃ、本が嫌いになってしまうでしょう。
あのお父さんの気持ちが分からないわけでもありません。
おそらくお父さんが見ていたのは、青い鳥文庫が並ぶ棚。絵や写真に頼らず、ちゃんとした「物語の本」を読ませたいのでしょう。うんうん。わかります、わかりますとも。
小学校2年生の私の息子も、「物語の本」を自ら読もうとはしません。息子が選ぶ本の9割は、「〇〇百科」「〇〇図鑑」です。
- 価格: 1320 円
- 楽天で詳細を見る
(また似たような本ばっかり・・・)
と、心の中ではモヤっとしますが、私は絶対に息子の選んだ本に対して文句は言わないようにしています。
私が読んでほしいなと思う本があった時には、「これ面白そうじゃない~?」なんて言ってそそのかしています。私が薦めた本を息子が選んでくれる確率は、10回に1回ぐらいかなあ。
それ以外に、勝手に買っておいて本棚に忍ばせておく、という方法も取っています。
「エルマーのぼうけん」や「いやいやえん」は、私が勝手に息子の本棚に入れておいたのだけれど、それに気が付いた息子が勝手に読み始めて見事にハマっていました。嬉しい(笑)!
いやいやえん (福音館創作童話シリーズ) [ 中川李枝子 ]
- 価格: 1430 円
- 楽天で詳細を見る
図書館に行くと、冒頭に書いたお父さんほど極端ではなくても、子供の読む本について良くない意味で口出しをしているお父さんやお母さんはよく見かけます。
「それは小さい子向けの本でしょ」
「その本は前も読んだでしょ」
「そんな長い本、読めないでしょ」
といった感じで。
親がお金を出して買う本なら多少の口出しは仕方ない部分もあるかもしれませんが、せめて図書館で無料で借りられる本ぐらいは、一切の口出しをせずに子供の自由にさせてやったらいいのになあと思うのです。
小学生の子供に赤ちゃん向けの絵本を読み聞かせしてあげるのだって、すごく素敵な時間。気に入った本は何度でも読めばいいし、気に入らなかったら途中で読むのをやめてもいい。読まずに返却しちゃうことがあったって、全然何の問題もない。
親も子供も、気軽に気楽に本に親しんでいれば良い。そう思います。